【大阪本店:茶道具買取】大樋長左衛門 茶碗
大樋焼とは
時代は1666年の江戸時代、発祥の地は石川県の金沢市です。
加賀藩主五代・前田綱紀が茶道を世に広めるため、初代大樋長左衛門を京都から石川県へ招き入れました。そして金沢市にて製作のため陶土を探している際に、大樋村(現在の金沢市大樋町)でお気に入りの土を見つけ、その土を使って仕上げた焼き物が “大樋焼”と呼ばれるようになりました。
土と同じく制作工程にもこだわりがあり、ろくろを一切使わず手で形を形成する手びねりで制作しています。
ろくろでの制作は、規則性のある形をあまり時間をかけずに量産出来るというメリットがありますが、それに対し手びねりは、一つひとつに時間を費やして生産していきます。ですが、ある程度スピーディーに制作しなければ土が硬化してしまい、ひび割れの原因になってしまう…といったリスクをも併せ持つ技法でもあります。それにも関わらず、大樋焼は今でも手びねりの制作にこだわり、一つひとつ作られています。
一つひとつに個性が出る手びねりならではの作風は、ろくろとはまた違ったフィット感が得られるため、多くの茶人をはじめ、あらゆる人々を虜にするのでしょう。
また他にも、飴色の釉薬を使った艶のある飴釉の作品を独自に生み出し、その独特の技法や伝統が今でも伝わり続けています。

語り継がれる大樋焼
十代大樋長左衛門(大樋年郎、本名・奈良年郎)は、2016年に長男の年雄が十一代目を襲名した際、大樋陶治斎(おおひとうやさい)を名乗り、今尚作品つくりをしています。
そして十一代目の年雄は、元々はデザイナーとして海外でも活動しており、現在の大樋美術館館長でもあります。伝統を受け継ぎ守りながらも海外へもアンテナを張り、現代に合わせた陶器造りを展開し続けています。
金沢市にある大樋美術館(1990年開館)では、初代から十一代までの歴代の作品が展示されており、代によっての作風や風合いの違いを感じることが出来ます。
茶室もあり、実際に大樋焼を使って茶道を堪能することも出来るようですよ。
金沢市は兼六園や長町武家屋敷跡、ひがし茶屋街など風情のある観光地が多いので、金沢に足を運んだ際にはそれら名所とともに大樋美術館は是非とも訪問したい場所です。
