フリッツ・ヘッケルト

フリッツ・ヘッケルト

フリッツ・ヘッケルト(フリッツ・ヘッカートとも言う)は1866年にドイツ、ポーランド、チェコ、オーストリア、ハンガリーの国境地帯に工房を創業しました。 このあたりは、13世紀ごろから伝統的なガラスの有名な地域でありました。 伝統的なガラス技術はボヘミアガラスから受け継いでいますが、ボヘミアガラスの伝統的な切子技術を使ってつくる技術は9世紀ごろ、装身具の材料としてガラスが使われたのがきっかけになって一大産業になったのです。

ドイツガラス産業界の先端を行くガラス工房

フリッツ・ヘッケルトが創業した時代は争いが多く、統治国がいろいろ変わって、資料が少ないのが残念なガラス工房です。 最初は17世紀ごろの様式を模してオールドジャーマンデザインが多かったのですが、その後、アーツ&クラフト運動の影響からドイツガラス産業界の先端を行くようになりました。 エジプト・ペルシャ様式の装飾を好んで使っていて、1900年にパリ万博で金賞を受賞しました。

見事な文様が手書きで描かれるグラス

フリッツ・ヘッケルトのワイングラスは教会のステンドグラスを想像するようなカラフルで荘厳なエナメル彩色文様は、最初に手でガラスに下地を彫り、それから、エナメル彩を入れて定着させて、さらに金を入れるという一つ一つ手の込んだ装飾をあしらって、持ち手のステムはすっきり、あっさりしたカットでクリスタルの醍醐味を味わえるワイングラスです。 リキュールグラスにしても、ワイングラスにしても、とても繊細なフォルムで、美しい女の人を表しているような感覚にとらわれます。 唐草文様のゴブレットを見てみても、グラデーションがきれいで、まるで水彩画を見ているような文様がグラスに手書きで書かれているのは、見事です。

高い評価を受け、ドイツガラス業界に影響を与えたフリッツ・ヘッケルト

1900年代にはマックスレイドなどの著名なデザイナーを呼んで、ベルリン美術学校の教授陣があとを受け継いだとされています。 この時代は、アール・ヌーヴォ様式が主で、トリノでの国際現代装飾美術展で銀賞を受賞し、高い評価を得ました。 1923年にジョセフインヒッテージ社と合併して、ドイツのガラス業界に君臨し、影響を与えていましが、その後、工房は閉鎖してしまいました。 あとに受け継がれていないのが残念ですが、価値や評価は高い西洋美術品作品ばかりなので、これからもどんどん価値はあがるでしょう。

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