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宗偏流[九世]_幽香宗白

宗偏流[九世]_幽香宗白

 宗偏流九世は、歴代で2人目となる女性宗匠です。先代宗有の長女で、宗有の遺言により九世を継ぎました。この遺言は、九世を宗白に、十世を宗囲に、というものでした。そのため、宗白の代継ぎの期間は父宗有が逝去した昭和32年から38年までと短くなっています。父宗有が初めてトルコに渡ったのは26歳の頃で、その後20年近くトルコを拠点に日土関係強化に努めるわけですが、帰国するわずかな機会に結婚し、子どもをもうけています。長女宗白が生まれたのもそんな折で、明治33年に大阪で生まれています。
 しかし、父はトルコでの事業や活動に忙しく家庭を顧みることも少なかったため、茶の湯は母宗珉から学びます。その他にも和歌をよく嗜み、後に句集を出すほどにまでなっています。また、書をよく学び、女性らしいたおやかな手を多く残しました。宗有の襲名後は、宗有からも茶の湯を学び、その深奥に至っています。また、代継ぎの期間は短かったのですが、好みものもいくつか残しています。比較的シンプルで力強い道具を好む宗偏流ですが、やはり女性宗匠だけに、かわいらしい、まろやかな風合いを好んだようです。中でも扇子を象った末広香合などは有名です。
 宗偏流に残した事績として、ひとつは『宗偏流茶の湯覚書』を著したことが挙げられます。開祖宗偏が初めて草庵の茶の湯を解説した『茶道便蒙抄』を著したように、折に触れてこうした心得書を書き著すのは、宗偏流の特徴かもしれません。すでに全国組織となっていた各地の同門を束ねた「明道会」の発展にも労を惜しまず、『宗偏流茶の湯覚書』を著したのも、同じようにより広く茶の湯を広めたいという気持ちが強かったからでしょう。5年余りの代継ぎの後、弟の宗囲に代を任せ自身は宗偏流庵老となって隠棲、その後は和歌を詠じ、茶の湯を楽しみながら、さらなる宗偏流の発展にも力を尽くしました。

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