小堀流[十三世]_小堀正晴_宗実

小堀流[十三世]_小堀正晴_宗実

小堀流[十三世]_小堀正晴_宗実

 「茶の湯を通して心を豊かに」が十三世小堀宗実のモットーです。古式な茶の湯の中でも、さらに格式の高い小堀流を現代に即して伝えていくために、さまざまな取り組みを行っている意欲的な宗匠です。





茶の湯を軸にした活動

 中でも特記すべきは、ひとつには若年層・子どもへの茶の湯の指導があります。これは、「茶の湯を子どもたちに教える」のではなく、「子どもたちを育てていくために茶の湯を使ってはどうか」という発想のもとに行われているもので、一般にイメージされるような格式高い茶の湯を強要するものではありません。「茶とは何か」と問われて「私自身である」と答えたのは先代宗慶でしたが、その精神は宗実にもしっかりと伝わっており、茶に拘泥されることなく、“茶の湯を軸にした” 文化活動、芸術活動、そして社会活動に勤しんでいるのが当代のありようです。
 熱心な著作活動はその精神からかもしれません。一般向けに茶の心を説いた書物や、遠州公の足跡をまとめたもの、小堀家に伝わる古今の名物を扱ったものなどがあり、遠州公はもとより、小堀流の事跡を我々が読むことができるのは当代によるところが大変大きいとされています。

茶の湯の真髄にもっとも近い

 もうひとつ特記すべきが、海外との文化交流活動です。近年にはアメリカ、オーストリア、スロバキア、シンガポール、ドイツと立て続けに講演会、茶会、交流会、遠州茶道子ども塾を開催しています。ここでも、シベリア抑留の経験から平和への思いを強く持った先代の遺志をよく引き継いでいると言えるでしょう。
 一説には、利休の古流の作法、精神をもっともよく伝えているのが小堀流とも言われます。それは、唐物などの大名物にとらわれることなく、自由な心で侘びの心を楽しもうとする精神です。道が堕落するときには、道それ自体が自己目的化し、本質が損なわれます。しかし、茶道を自己目的化していないという意味において、小堀家当代は優れて利休的であり、ひいては茶の湯の真髄にもっとも近いといえるのかもしれません。

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