小磯良平

小磯良平 斉唱

洋画家・小磯良平は1903年に生まれ、昭和期に活躍を重ねました。東京美術学校を卒業後にパリへ美術留学に行き、そこで出会う「カナの婚礼」に衝撃を受け、今後の画家人生を大きく左右することになりました。そんな小磯良平の描く作品の中心は、誰にでも親しみ易く、心の隙間に優しく入ってくるような女性像を多く描きながら、色鮮やかなし色彩で彩られた街並みなどを多く制作しています。市民的でありながら、その普遍的な美しさに隠れるモダンで気品あふれるが作風で見る人々を魅了していきました。さて、そんな小磯良平ですが、幼少の事から異国との交流があった神戸市で生まれており、小さい時から西洋的な空気を体で感じ、鉛筆と筆をもっては絵画を描き続けていました。そんな小磯良平に転機が訪れたのが1925年。23歳の画学生である小磯良平が「帝展」に出品したT嬢の像が特選に入賞し、当時の 在学中の学生が受賞する異例の事態となり、鮮烈な画壇デビューを飾っているのです。そしてその後、フランスへの留学で様々な絵画、そして異国の文化を肌で触れ、より感性を磨いていったのです。彼の描く作品のひとつである1969年に制作された「婦人像」ですが、まさにバランスと鮮やかに配された色彩バランスが見事というほかありません。遠くなのか、近くなのか。どこか、いたずらな目線を落とし何を眼差す一人の女性は、健美であり禁欲的ながらどことなく優しさも感じることができます。上半身の白いブラウスと、膝にかけている赤と黒で鮮やかに描かれたストールが何とも鮮烈な印象をあたえ、まさに優しさと力強さを物語る素晴らしい作品のひとつになっているのです。多くの名誉ある賞に輝いている小磯良平は、優れた能力を持ちながら、日本の美術界にも北欧の素晴らしい絵画技術を浸透させるため、東京美術大学で教鞭をとるなどとした、功労者でもあるのです。その優しい眼差しの奥で、美術界の発展を願い続け、貢献し続けた小磯良平は日本の美術界になくてはならない存在なのです。

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