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岡田三郎助

岡田三郎助

 岡田三郎助は佐賀県に生まれた日本の洋画家です。明治から昭和にかけて多くの作品を残し、現代の洋画界にも多大な影響を与えました。女性像を中心に油彩で描かれるその作品の数々は淡く幻想的ながら、どこか芯を外さない力強さも感じることができ、未だ見るものの心を離しません。その岡田三郎助の作品を語る上で重要な作品は1935年に描かれた「裸婦」です。当時、帝展の若手や中堅の洋画家たちによる第二部会展に出品され、岡田三郎助の実力を世間に知らしめた傑作です。この作品を描いた当時の岡田三郎助は既に66歳。名実ともに世間では、洋画の大家として認識されていた彼が描く「裸婦」は若手では出せない、成熟したタッチと官能的な風合い、そして綿密な色彩で重ねられた幻想的な面影を感じることができます。ソファに腰掛け、どこか物悲しそうに一点を見つめるその姿は、言葉にできない色気すら感じさせてくれます。
 日本人の描く洋画として秀逸な作品を残す岡田三郎助も、最初から才能を開花させていたワケではありません。彼の画家人生に大きな影響を与えた黒田清輝との出会いが、その才能を開花させるきっかけとなりました。外光派と呼ばれる、画面に光りが溢れたような作品を描く画家達の技法を黒田は身につけてフランスから帰国しています。岡田三郎助は当時、基本的な絵画法しか知らず、同郷の画家である久米桂一郎に黒田を紹介され衝撃を受けているのです。この出会いを経て、岡田三郎助はフランス留学でラファエル・コランの画塾に入り、帰国後は東京美術学校の教師として若手を育成し日本洋画における美術界の進展にも貢献しています。岡田三郎助の作品といえば、三越呉服店のポスターや切手に利用されている「婦人像」で一度は目にしていることでしょう。明治から昭和と、日本の歴史と共に日本洋画壇を引率していった岡田三郎助の存在は忘れていけません。彼の作品に秘められた、美術への深い愛は誰にでも手に取るように分かることでしょう。岡田三郎助は後世に語り継がれるべく生まれた人物だったのです。

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