川口軌外

川口軌外

川口軌外は和歌山県出身の日本の洋画家です。早い時分に画家を志し、19歳の時点で状況をし画家を目指しています。さらに、画家としての実力をつけ始めていた27歳の時に10年間に渡りフランスに滞在、キュビズムやフォービズム、そしてシュルレアリスムなどの絵画技術を修練し、川口軌外としての独自のスタイルを獲得していきます。その当時、モーリス・ドニに師事しており、彼の影響も少なからず受け、その後の作品には当時に吸収された高い技術が垣間見えます。彼の描く作品は鮮やかな色彩で、雄大な情景を幻想的かつ繊細に描いた見たものの心に残るような作品を多く残しています。里美勝蔵や佐伯祐三、小島善太郎などと深い親交があった川口軌外は後に「1930年協会」「独立美術協会」での活動に繋がっていきます。そして、独立美術協会では中心人物として精力的に活動し、日本の美術業界に貢献していきます。独自の絵画方法を手に入れながらも、新しい様式や技術を積極的に取り入れて行った川口軌外は、戦後に再編されたアンフォルメルやエコール・ド・パリなどの表現も自身の作品に活かしていっています。物事に囚われることのない表現方法で作品を作り続けた彼の作品の中でも、よりその感性が感じ取れる作品が1953年に描かれた「異影」です。この作品は、抽象的であり見るものの感じ取りかたでいくらでも解説することができます。ただ、この淡く幻想的な色彩の構図に、タイトル通りの異なった何かが対峙し、重なりあうその作品には優しさだけでなく、情緒感、さらには秩序を均衡に演出する正当性も感じます。往年の川口軌外を語る人々は彼のデッサンとその写実性の正確さに驚嘆しています。先輩や権威には全く媚びず、自身の芸術だけを信じ、貫き通したその制作姿勢には関係者からも多く慕われ、彼の周囲にはいつも芸術を信じる仲間達や後輩で溢れていました。享年である1966年には73歳という年齢ながら第13回サンシュマン展に「京都の庭」を出展するなど、生涯現役で居続けた芸術と共に生きた人生であった川口軌外。彼の存在無しには現在の日本美術界の繁栄はなかったと言っても過言ではないのではないでしょうか。

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