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掛軸 岩橋英遠

岩橋英遠 蝕(しょく)

掛軸画家、岩橋英遠(いわはしえいえん)。本名は英遠(ひでとお)。屯田兵のニ代目として、北海道空知郡乙村(現・空知管内滝川市工部乙町)に岩橋浅次と妻・きくとの長男として生まれます。同村立北辰尋常高等小学校を卒業したのち、実家の農業を手伝いながら独学で絵を描きます。21歳の時に上京して、山内多門の画塾に入ります。師の没後は、安田ゆき彦の門下になります。後に日本画新時代の一端を担う院展同人として活躍していきます。岩橋英遠は洋画の手法も取り入れながらも、独自の手法で自然を捉え、実に写実的でありながらも幻想的でもある人の心に印象付ける絵を描いていきます。独特の感性を持った絵画の世界を創造し続け、日本画檀の重鎮的な存在として活躍します。東京芸術大学教授や日本美術院理事を経て、1971年に「鳴門」で日本芸術院賞を受賞します。1981年に日本芸術院の会員になります。1989年には院展で「蝕(しょく)」が文部大臣賞を、1994年に文化勲章を受賞します。代表作には、「庭石」「新宿浦」「歴史」「土」「彩雲」「静日」「虹輪」などがあります。岩橋崇至は岩橋英遠の三男であり、国際的にも有名な山岳写真家です。彼の作品の中に「暎」という絵画があります。夕方の時分に沈み始める太陽に、影を深くしていく山並み。そして金色に染まる水田があります。自然とはこんなにも美しいものなのか、と思わされます。並々とはられた田んぼの水は、落ちてくる日の光をたたえるように、今にも溢れかえりそうになっています。その上を滑らかに滑るかのように舞う鳥が一羽。もう少し経てば夜の戸張が少しずつ降りてくるのだろうけど、その頃には暗い闇を見下ろすように沢山の星達がきっと輝き、きらきらと囁きあうのでしょう。まさに大自然の営みを大いに感じさせてくれる逸品です。時の流れと共に忘れてしまってはいけない大切な物がそこにはあります。ずっと語り継がれていきたい作品ばかりだといえるでしょう。

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