掛軸 堅山南風

堅山南風

繊細なタッチと優しくも芯の強さが伺える作品を多く残し、文化勲章も受賞した掛軸画家の堅山南風は、1887年に生まれます。現在では、日本美術界における重鎮として、昭和期を代表する日本画家の大家として広く知られています。熊本県に生まれた堅山南風は、良心が幼い頃に立て続けに無くなるという困難に苛まれてしまい、苦難の中時代を生き抜いていきます。さらに、この困難がありながらも、絵画へ情熱を注ぎ芸術に研磨を重ねて生きます。そして、ついに23歳の時に上京を思い立ち、高橋広湖の門下生となって自らの芸術を磨く努力を始めます。そして、その高橋の元で様々な技術に哲学を学びます。結果的に、その才能は早くに認められることとなります。1912年の文展では、出品作品『霜月頃』に奇跡が起こります。あの、日本画の大家である横山大観が、堅山南風の作品を非常に気に入ることとなり、彼の推薦で事実上最優秀賞となる2等に入選することになったのです。そして、この横山大観が堅山南風の終世をかけての師となり、目標ともなっていったのです。結果、出展を重ねますがなかなかその実力はありながらも、1等という賞を獲得することができません。しかし、このスランプに陥った堅山南風は、自らを変化させるべく、インドに渡り開花していきます。このスランプを乗り越えてからは、肖像画連作など独自の画境を見いだし、そして追求。日本画という伝統に背を向けながら、新鮮さを求めた芸術を追求し続けていったのです。結果、スランプを乗り越えていった堅山南風は次々に秀作を発表し続けて行きます。文化功労賞にも選ばれるなど、彼の絵画人生は転機を迎えて行くのです。堅山南風の後期の作品は、掛軸買取においても高く評価されており、状態の良いものは特に高価に取引されています。堅山南風の有名な作品には、中尊寺五大堂天井画「瑞祥龍」や、日光山輪王寺薬師堂天井画「鳴龍」があります。その全てが、新しくもどこか伝統を感じさせる力強い作品ばかりです。スランプを乗り越え、その延長線上に本物の芸術を見いだした堅山南風。彼の存在無しにして、現在の日本美術界は無かったでしょう。

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