日本画 下田義寛

下田義寛 モンサンミッシェル

下田義寛は1940年に生まれた日本画家です。美しい風景画を多く描き、院展を中心に活躍してくことで有名です。また、海外における美術探索も数多くこなし、外遊数は10回以上を数える無類の洋画好きでも知られます。一瞬の自然の風景を見逃さず、生命の強い絆や力を表現する華やかなだけではない真実を切り取る作品などにも定評があります。下田義寛は富山県は滑川市に生まれ、画家を目指し上京します。そしてその技術を本格的に高めるために東京芸術大学に入学、そして大学院までまで通い修士課程を終えています。郷倉千靱と岩橋英遠に師事していった経緯があり、日本画の基礎も身につけていきます。大学を卒業後、その才能をいかんなく発揮した下田義寛は、1963年の院展の初入選を皮切りに、文部大臣賞や内閣総理大臣賞など数々の名誉ある賞を受賞してくことになります。そんな下田義寛の才能に一目を置いた院展は38歳という若さでありながら、日本の美術界を担う新進気鋭の画壇として下田義寛を同人に推挙しています。日本の風景も描きながら、パリの風景にも大きな定評がある下田義寛。時代性のある詩情的で幻想的な独特の世界観で描かれるその作品には、各方面で大きな注目を集めて行くことになります。そんな下田義寛は屏風に描く壮大な作品が2001年に描かれた「モンサンミッシェル」です。フランスを代表する世界遺産建造物であるモンサンミッシェルを日本人である下田義寛が大胆に挑戦した屏風図ですが、その迫力たるや驚きの一言です。赤く夕日で染まる空に、雲をバックにそびえ立つモンサンミッシェル。幻想的で情緒的な雰囲気と、その現実主義的な写実性の2面性が見る者の心を離してやまない、印象に残る秀作です。晩年の下田義寛は、日本画家の画壇であり、院展の理事も歴任しながら、教育界でも活躍します。倉敷芸術科学大学の教授として芸術家を目指す、若い有志たちに心得を享受しています。若かりし頃から、新鋭として美術界を引率してきた下田義寛。彼の精力的な活動の原点は、自ら燃やす芸術への情熱であったに違いありません。

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