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日本画 中村貞以

中村貞以 折鶴

日本画家・中村貞以は1900年に生まれです。大阪の船場に生まれた中村貞以は僅か2歳で火傷によって手が不自由な思いをしていたため、合唱描きを工夫していたことで知られています。院展や日展などを中心に活躍の場を広げており、「シャム猫と青衣」などで画家としても最高峰の賞である芸術院賞なども受賞している日本画壇の一人として広く知られています。画塾春泥会を主宰するなど、積極的に美術界に貢献をしていることでも広く知られています。この中村貞以ですが、幼少の頃の火傷の経験もさることながら、絵画への愛情は深く、日本画家という生き方を選択し、そして北野恒富に師事をして研磨を重ねていきます。その北野の教えを純真に受け継ぎ、独特の絵画方法で描く美人画は各方面から高い評価を称讃を受け続けているのです。さて、そんな中村貞以ですが画家として生きていくキッカケとなったのが昭和7年に発表している「朝」です。この作品が日本美術院賞を受賞することをキッカケに中村の美人画は力を増していくことになるのです。そんな中村貞以の作品なのですが「京舞」などがあります。扇子で口元を隠し、いたずらに遠くを見つめる女性の姿が妖艶ながら、どこか温和で楽しみを味わうような映像にも見えなくもないのです。しかし、驚くべきところはその火傷を負い、合掌描きで描いたと誰が思うのだろうか、という繊細かつ大胆なこの線の描き方でしょう。中村貞以は婦人画を描く時には、まず仏画を見ると言いました。仏の女性的で甘美な姿を女性という対象物をモチーフにし、その先にある美しさを表現していったに違いありません。そんな中村貞以の作品は、本当に繊細で美人画を超えた、純粋な人物画として見た方がよく伝わるのかもしれません。宗教的な匂いも感じさせるその作品は多くの人々の心を掴んで止みません。火傷で普通であれば絵画など描くことはできない状況をはねのけ、天才画家として歩み続けた中村貞以。彼の芸術に対する姿勢や思いなど、現代の我々に何か深く訴えかけれるものがあるのではないでしょうか。

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