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日本画 内田あぐり

内田あぐり

内田あぐりは現代を代表する日本画家です。60歳を超えた今なお精力的に創作を続け、全国津々浦々で展覧会・個展を開催しています。内田の作品の特徴は独特の構成と豊かな色彩感覚です。特に古典的な絵画作品においては、描かれる対象はキャンバス全体を見渡したときの主軸に置かれることが多く、周囲の環境・空間はあくまでもその対象を引き立て役として描かれていました。しかし、内田の作品はどの部分を切り取っても絵画として成立し、対象・空間の意匠を超えた多層的な構成となっています。 内田は1949年に東京都に生まれ、75年には武蔵野美術大学大学院を修了し、日本画家としてのキャリアをスタートさせます。在学中の内田には興味深い逸話があり、彼女は講義で取り上げられた西洋的な遠近法や古典的な構成に馴染めなかったと言われています。遠近法と聞くと美術や建築だけの閉じた技術であると思いがちですが、実は遠近法は一種の幾何学体系であり、古代ギリシャから数えて2000年以上の歴史があります。特に、中世のヨーロッパでは遠近法は単なる絵画技術の1つではなく、それ自体が1つの数学体系であり、美術、建築、果ては神学までにも多大な影響を及ぼしました。ところが、内田の作品の多くはそうした数理的・幾何学的な構成を採用しておらず、モチーフや題材が多層的に折り重なっています。作品のテーマやモチーフが作品全体にまとめる構図は観る者に安心感を与えますが、線と色彩が交錯し、絶妙なバランスを保った構図は緊張感を強いるでしょう。内田の代表作は『地への廻廊』、『吊るされた男―’00M』、『continue #052+061』、『11秒間、喉から出た声』など多数ありますが、そのどれもが伝統的な日本画とは異なり、一種の抽象画のようにも見えます。内田あぐりの作品群は新奇さとみずみずしさを失わず、作者が老境を迎えた今でもなお新しい日本画のシーンを牽引しています。