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日本画 小杉放庵

小杉放庵

小杉放庵は1881年に日光に生まれた日本画家です。幸運にも日光には洋画界の重鎮であった五百城文哉がおり、そこで絵画の技術などを基礎から学んで行く機会に恵まれます。本格的に画家になることを決心した小杉放庵は、その後上京、小山正太郎が主宰していた画塾、不同舎に入塾をし技術を研磨していきます。才能を延ばし続ける小杉放庵はこの後に文展などでの2度の受賞など、輝かしい実績を積み上げていきます。そんな小杉放庵ですが、日本画を描くだけでなく幅広い分野で活躍を見せます。漫画家や挿絵画家としても非常に名を馳せる様になり、美術雑誌の「方寸」などでも編集に参加するなど自らの才能を余すことなく描き続けます。さらに、現在でも高名な再興日本美術院の第1回展においても、同人として参加しています。その他にも交友関係の広かった小杉放庵は様々な会を開くなり手伝うこととなり、と幅広い美術活動を続けて行ったのです。そんな小杉放庵の描く作品は、徐々に変化をしていく事で有名でした。号をその都度変更していった小杉放庵ですが、この放庵になった頃からは水墨の濃淡で芸術を表現する作品への関心を高めていき、独特な目線とタッチで枯淡を描き続けるようになりました。この作風で芸術家としても、高い地位に輝いていくのですが、晩年は新潟の山荘に籠るように制作をしていきます。スポーツなどを愛する小杉放庵が落ち着いた仙人のような生活を送ることを、周囲の人間は驚いてしまったと言われています。さて、その小杉放庵の作品のひとつなのですが「昔囃」があります。赤く鮮やかなカニと柿の木が描かれる、日本の秋の縮図とも取れる滋味溢れる作品なのですが、なんと言ってもその淡く枯淡な色使いがまさに素晴らしく、葉の一枚一枚が枯れ落ちていく儚さを感じるような、心動かされるタッチで絵がかれているのが特徴です。幼い頃に、様々な体験をした日光に思いを馳せたような郷土愛も感じるような作品なのです。数々の作品を通じ、我々に感動を与えてくれた小杉放庵は、日本画という枠を飛び越えた天才ともいえる人物だったのではないでしょうか。

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