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日本画 梶喜一

梶喜一

梶喜一は1904年に生まれた昭和期に活躍した日本画家です。京都に生まれている梶喜一はこの初期の活動時の号は祟樹をいう名であったといいます。画家を志しその絵画技術に磨きをかけるため、都路華香や西村五雲に師事しており、京都会専学校を卒業した後に本格的に画家としての人生を歩み始めます。彼の作品は人物画や静物画など数多く存在してはいますが、なんといっても彼の名を轟かしたのは「鯉」の作品です。繊細であり写実的な線で描かれる鯉の姿は甘美でありながら、日本画独特の細くも強い艶やかさも感じることが出来るのです。この鯉の名手と謳われた梶喜一の活動は、精力的に行われ、その絵画の評価も各方面で高い評価を得ることになります。戦前までは、なかなか出品の機会に恵まれず作品を書き続ける日々でしたが、大きく変化が訪れるのは戦後になってからの活動にあります。戦後は精力的に活動・出品を重ねる梶喜一は数々の賞を獲得するようになっていきます。その中心となるのが日展への出品です。昭和38年に「牡牛」が特選。さらにはその4年後の同展においても特選を獲得しています。

鯉を写実的に美しく描く

そんな鯉を多く描く梶喜一の作品ですが、その時々の雰囲気で描かれているので同じような風景で描かれるものは何もありません。なかには、透き通る清冽な池の中をたゆたう鯉を中心に描く美しくも幽玄である作品や、水の中を切替して動くため水面に波が自然に立つ、非常に高い写実性で描かれる錦鯉の姿も垣間みれます。鯉ごとに独特で鮮やかに描かれた鮮烈な色彩はその独特な風合いと、バランスのとれた梶喜一の心で描かれる日本人であればだれでも琴線に触れられる、心を揺さぶる作品ばかりなのです。日展を中心に活躍をしていた梶喜一ですが、その功績が高く評価されており、1978年には日展において審査員に推挙されています。その翌年、日展の会員という名誉ある地位を手に入れ精力的に活動する予定でした。しかし、75歳でこの世を去り彼に芸術人生は幕を閉じます。しかし、鯉を写実的に美しく描くその日本的な美しい心は、現在の我々が見失いかけている大切な心かもしれません。彼の功績を讃え、語り継ぐ事が現世に生きる我らの使命なのかもしれません。

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