日本画 橋本雅邦

橋本雅邦 林間残照図

橋本雅邦は1835年に生まれた日本画家です。日本のみならず、世界最高峰とも言えるその評価は日本が誇る大家として広く知られています。日本画四天王と呼ばれる実力の持ち主で横山大観など、後の日本画界を大きく揺さぶる重要人物の師としても有名です。その繊細で伝統的な狩野派を守る作風に洋画のエッセンスも取り入れて生き、まさに唯一無二の芸術を描き出しているのです。元々、御用絵師の家庭に生まれ育った橋本雅邦は、無意識のうちに芸術や絵画に囲まれ生きて行き、物心つくころから画家として人生を歩むように育てられます。11歳の時点で狩野派に傾倒し、そのまま御用絵師としての人生を歩み始めます。しかし、明治初期の時代には日本の欧米化が進んでいき、どんどん御用絵師としての仕事は減っていくことになり、食べて行くための絵画を描き続けるようになっていきます。どうにか生きていくことに必至であった橋本雅邦ですが、36歳の時、西洋画の油絵に出会い衝撃を受けます。様々な洋画の技術の研磨を重ね、独自の境地を開いていくことになります。その新しい作品などを展覧会に出品し続けた時、新しい日本画を描くことができる画家、と目をかけられ、これをキッカケに全く新しい日本画を描き続けることになるのです。そんな洋画と日本画が混ざり合った新しく、斬新な作品として発表されたのが「林間残照図」です。狩野派の名残がのこるしっかりとした繊細な線使いで構図されていますが、背景は洋画の技法である遠近法などを用いた軌跡のような1枚になっています。この「林間残照図」ですが、1904年に開かれた万国博覧会において、なんと数々の欧米諸国の作品を押しのけ、最高賞を受賞することになり、橋本雅邦の名前を世界に轟かした秀作なのです。もちろん、この技術や芸術思想を後進に伝えるために、美術学校の教師や日本美術界の創立にも力を入れていきました。近代美術に与える影響は我々の想像を超えているほどの重鎮である橋本雅邦。彼を超える世界的な芸術家はそう簡単には出てはこないかもしれません。

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