日本画 水田硯山

水田硯山 椿

水田硯山は1902年に生まれた日本画家です。大正から昭和期にかけて活躍し、後期印象派の画風を取り入れた斬新で新しい南画の発展に大きく貢献しました。数々の素晴らしい南画を描き、国際墨画展文部大臣賞をも受賞する南画における京都の画壇としても広く知られる人物なのです。大阪に生まれた水田硯山の本名は美郎。同じ家系の兄に南画で高名であった水田竹圃、弟も日本画家の要樹平という画家一家に育ちます。家系的な関係もあった水田硯山は幼少の頃から身近に絵画に取り組むことになります。そして、日本画の基礎なども兄に学ぶようになり、益々画家への関心が高まることになります。その実力は高く、日本南画院を中心に活躍をしてく生活を送ります。さらには帝展、そして新文展、日展など日本における数々の由緒正しい場所に度々出品、そして入賞を果たして行く実力の持ち主でした。しかし、元々伝統は守りつつも保守的であった画風などには疑問を抱いていた水田硯山。そんな時に出会うのが後期印象派でした。この後期印象派の新しい表現方法に感動を覚える水田硯山は、自らの描く南画にこの技法を取り入れて行き、新しい日本の美術を席巻する努力を続けるようになっていくのです。そんな水田硯山の作品のひとつである「椿」は果敢なくも優雅な印象を放つ一輪差しのような構図で描かれています。華奢で女性的な枝にくすんだ濃い色で塗られた力強い葉、その繊細な雰囲気が椿の花の華やかさを引き立たせており、美しいと言わざるえない作品です。葉の一枚一枚も平坦にならない美しい濃淡で描かれており、その絶妙で儚い筆遣いも水田硯山の持つ特徴的なタッチであると感じ取れることができます。また、右側に添えられるさりげない書での署名も繊細ながら力強く教養の高さを感じることができるのです。水田硯山は、日展依属であり、日本南画院の監事を歴任しており、日本美術の発展にも貢献していました。数々の斬新な作品を生み出した水田硯山。彼の挑戦とモダンなセンスは未だ尚、多くの方を魅了し続けているのです。

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