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日本画 池大雅

池大雅

 幼くして優れた才能を開花させた男、池大雅
 池大雅は幼くして神童と称されるほどの書の才能の持ち主でした。画扇屋を営みながら舶載の画譜などを通して中国南宗画を独学する一方、柳沢淇園や祗園南海の教えを受け、日本画の伝統と西洋絵画の表現法をとり入れ、独自性と風格に富んだ画風を形成し、日本南画の祖と呼ばれるようになります。幼い頃に父を亡くした池大雅は、苦しい生活の中で書に触れ、7歳で中国の書風である唐様を学び始めました。幼い池大雅は、唐様の書を学んで間もない頃にその才能で周囲を驚かせていました。彼の才能を目の当たりにした文人画家、柳里恭よって、池大雅は後の文人画の大成者となる一歩を踏み出したのです。
 池大雅は正に歩く文人画家と呼ぶに相応しい人でした。文人画の方法論である「万巻の書を読み、万里の路を行く」という教えを忠実に実行し、旅、登山など、各地の風景を見て回ることを好みました。池大雅の代表作に「楼閣山水図」があります。池大雅は実際には中国を訪れたことはなかったようですが、彼は深く中国に憧れを抱き、「張環翁祝寿画冊」を原図として、この作品を描きました。さらに池大雅は西洋の絵画の表現法を取り入れ、文人画家としての独自の世界を確立していきました。池大雅が文人画家として大成することが出来たのは、筆を操る才能だけでなく、様々な風景を見聞し、既存の文人画の常識のみに陶酔するのではなく、柔軟に様々な方面の絵画の構成、技術を取り入れたからではないでしょうか。
 彼の書に深く関わる人生は、書を学ぶ前に文字の意味を気にせず眺め続ける素読から始まりました。彼は幼い頃から「見る」という行為の重要性を理解していたのかもしれません。その「見る」という行為が、見たこともない風景を紙の上に浮かび上がらせる確かな技術に繋がっていったのでしょう。

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