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「日本画 郷倉千靭」
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日本画 郷倉千靭

郷倉千靭 春日苑

郷倉千靭は1892年に生まれた日本画家です。富山県出身で画家を志します。本格的に絵画を生業にしようと思い、東京美術学校に入学しています。研磨した後に寺崎広業に師事しています。そんな郷倉千靭ですが、先に洋画に目覚めています。そのキッカケというのが後期印象派であるセザンヌ、ゴッホやゴーギャンに傾倒しその技術を磨きに米国に渡っています。そして帰国した後の1922年の院展日本美術院賞受賞を受賞する腕前となります。この受賞をキッカケに様々な賞を得ていきます。1924年での日本美術院同人に推挙されており、院展を中心に出展を続けて行くのです。そんな郷倉千靭の作風ですが、自然を愛し、その真実を描写していくように清斬な風景を多く描いています。その、自然の中心にある命の芽吹きのようなものを取り出し、そこへ情熱を注ぎ込む、そんな清冽な映像が彼の筆遣いには見られるのも特徴なのです。そんな郷倉千靭の作品のひとつで「春日苑」があります。美しく鮮やかな独特のタッチで描かれた構図が、郷倉千靭の持つ独自の世界観が不思議なオーラを放ちます。大小様々な大きさで描かれた鹿達の情緒的でほがらかな雰囲気がどこかしら、笑顔を誘う優しくも愛らしい作品になっています。明快で彩度の高い堅実な作風は各方面から定評があり、その内容にも頷くことができます。完全に郷倉千靭を物語る上で、欠かせない一枚となっているこの「春日苑」は洋画の印象派の影響を受け、その技術を自らの作品に落とし込むことが完成された。素晴らしい作品です。院展で活躍し続けていた郷倉千靭ですが、自らの作品を生み出すだけでなくその後の美術界にも貢献をしています。帝国美術学校での教授、多摩美術造形芸術専門学校教授など、数多くの場所で自らの芸術技術や思想を後世に伝えています。インドやフランスにも渡っている過去がある郷倉千靭。古い形式に凝り固まることはなく、自らの信じる新しく斬新な絵画を目指す、先鋭的な日本画家として我々が誇るべき人物だったのです。

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