東郷青児

東郷青児 赤いスカーフの女

東郷青児は1897年に生まれた日本の洋画家です。鹿児島県出身の東郷青児は幼少時には東京に移り住んでおり、その後、青山学院中等部を卒業しています。元々、鉄春が本名ではありましたがこの青山学院が青児の由来だとも言われています。画家を志し、東京フィルハーモニーの赤阪研究所の一室で制作開始後、有馬生き馬に師事しています。彼の描く独特で幻想的な作品の多くは女性が目を瞑り、祈りか悲しみかそれとも瞑想なのか、と見る者の心を掴んで離しません。独特の女性像を描き続けた東郷青児はこの高い技術力を武器に洗練された美意識と唯一無二の作品を多く輩出したのです。洋画の世界観というものは分かりづらく、玄人や絵画の学を持っている者にしかわからない、という状況を嫌った東郷青児は誰にでも理解でき、そして楽しめて共有できるものを目指し制作を続けます。その姿勢に通俗的だ、と批判する者もいましたが、彼の作品の素晴らしさと多くの人々に支えられた事実はこれを間違えだと結果で示しています。女性礼賛芸術と称された東郷ですが、キュビスムやシュールレアリスムなど、様々な様式を使い自らの芸術を確立する旅をしています。そんな数有る東郷青児の作品の中でも高い評価を得ている作品が「赤いスカーフの女」ではないでしょうか。ジオメトリックのバックはグレーを主体とした色彩でまとわれ、中央には淡い朱色で構築されたスカーフ巻く女性が立っています。その表情は物悲しさというより、たおやかで艶美そして、華奢で繊細な体のラインなど全体的に美しく、果敢ない一輪の花のように見えるのです。長い首や手首の技法も立体感を表現するのに重要なファクターとなり、高い技術力が伺えます。フランスにも渡欧しいていた東郷青児は、後にフランス政府からオフィシェ・ドルドル・デ・ザール・エ・レットルを受賞しいているのです。1976年には今も有名である東郷青児美術館を西新宿に開設しています。天才という名を欲しいままにした東郷青児は、日本の洋画界に大きな功績を残した重要人物であったのです。

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