棟方志功(むなかたしこう)

青森の出身として郷土をこよなく愛し、「日本のゴッホとなる」と志を立て、版画で数々の素晴らしい絵画を残した日本画家が、棟方志功である。志功は、1903年、刀鍛冶職人の父幸吉と母さだの三男として生まれた。18歳のときにゴッホの絵に出会って感動し、以来芸術家を目指した。21歳のときに上京し、様々な仕事をしながら絵画の勉強を続けた。周囲は師匠について絵画の勉強をするよう勧めたが、志功は師匠に付けば、師匠以上の絵は描けないとして独自の道を歩むことを選択した。そして、上京5年目にして帝展に「雑園」(油絵)を出品し、入選した。その後、川上澄生の「初夏の風」という版画に感銘を受け、版画の道に入る。1936年には、制作した版画「大和し美し」が出世作となり柳宋悦らと交流するようになり、民芸運動から様々なものを吸収する。また、「釈迦十大弟子」では日本画家として国際的な評価を受けることとなる。

棟方志功作品には故郷の影響が多くみられる

志功の絵画は、故郷で幼いころから見て育ったねぶた祭りや凧絵の影響を大きく受けている。志功の作品では、人物の頬など、ところどころに使われる朱に近い赤が、画面に温かみを与え、印象的であるが、それらはねぶた祭りなどに使われる色合いに近いものである。郷土で祀られている神々を描いた作品も残している。また、作品からは、生き生きとした勢いのある筆致がみてとることができる。これは、志功が彫刻刀において三角刀を好んで用い、それを素早く勢いある手さばきで彫り進めているからである。これらは伝統的な日本の版画の技法とは異なるもので、志功独自の彫り方であるという。 棟方志功は、日本画家としても独自の道を歩んだことで、世界に羽ばたいた画家である。

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