荻須高徳

荻須高徳

荻須高徳 パリの散策

 荻須高徳は1901年に愛知県で生まれた日本の洋画家です。第二次世界大戦中の帰国を除いた生涯の半分をフランス・パリで過ごしています。作品の中心は、パリの下町の風景で,壁に張ってある広告や古い町並みなど、情緒的でどこか懐かしいタッチで描かれています。パリでの制作活動を行う日本人として日仏の文化交流にも力を入れており、非常に両国からの信頼も厚い献身的な画家でした。
 彼の描く作品は暖色使いの鮮やかさに定評があり、その絵画を前にすると不思議と温かい気持ちになるような、柔和な作品が多いことも特徴です。画家としての活動初期の時期にはどこか荒々しいタッチで、若さと勢いに溢れた作品が多かった荻須高徳ですが、後期の彼の作品は徐々に優しい爽やかなタッチになっていき、見る者の心を和ませるものになっていきます。その温和さを語る作品のひとつである「サンタ・マリア・マッダレーナ広場」は赤とベージュ系の色彩で建物が彩られており、その構図も見事ながらやはりどこか哀愁と情緒を感じさせます。また、パリ特有のグレーがかったブルーの空が何かもの悲さを表現していますが、普段の日常の風景である優しさも持ち合わせており、何度見ても飽きることのない素晴らしい作品です。
 そんな荻須高徳ですが、よくヴラマンクやユトリロなどの影響を受けていると指摘されています。とはいえ、やはり日本人特有の感性で描かれたパリの町並みの数々は、荻須高徳の独特の視線で描かれた造形美溢れる作品になっています。彼の画家人生のスタートは1928年のサロン・ドートンヌ入選から始まります。荻須高徳とフランスの関係は良好なもので、初の個展にいたってもジュネーブで行われています。しかし、第2次世界大戦の影響で帰国を余儀なくされ、一時的に日本に滞在します。しかし、彼のフランスでの功績はシラク・パリ市長も高く評価し、日本人画家では戦後初の入国許可も貰っています。「パリの屋根」や「金のかたつむり」などの代表作も、彼の持つ温和な人間性、そして異国でありながらも、第2の故郷として愛し続けたパリへの愛情が詰まった、何とも心揺さぶられる作品です。戦後、最もフランスに愛された日本人画家である荻須高徳。彼の功績は我々日本人の誇りとも言えるのではないでしょうか。

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