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薮内家[四代]_剣渓紹智_蕉雪斎

剣渓紹智_蕉雪斎

 薮内流四代目剣渓は、表立った活動を厭うことの多かった薮内流歴代の中でも際立って事跡の少ない宗匠です。きわめて少ない伝聞によると、町人文化が成熟を遂げる元禄時代になっていっそう世間、あるいは他流の茶人との交流を避けるようになり、ただひたすらに門人たちへの稽古に勤しんだそうです。その世俗への態度、千家のように大衆文化に迎合していく茶流に対する姿勢は次の宗匠となる竹心に引き継がれ、より先鋭化していきます。といっても茶人としての表舞台での活動を忌避したわけではありません。西本願寺の宗祖450年の茶会や、加賀大聖寺藩、肥前鍋島藩との交流など公式では多忙を極めます。
 また、剣渓の代のうちに西本願寺では独特の形式を確立しています。当時は、幕府が華美ないでたちや振る舞いを控えるよう触れを出しましたが、それを守るものも少なく、一部の茶流はますます華美に走る時代でした。一方は時流に乗って絢爛に、その一方で質素な古流をかたくなに守り続ける流派もあり、その代表格が薮内流だったといえるでしょう。

質素で古儀に徹する薮内流の真髄が垣間見える

 茶道具についても伝わるところが多くありません。しかし、わずかに残る作品から、質素で古儀に徹する薮内流の真髄が垣間見えます。
 もっとも有名な道具に自作の二重切竹花入、銘「古里」があります。50センチを超える長さで4つの節があり、うち2つが前後左右にゆがみ、全体として優美なS字を描いています。細身で動きがあり、軽快な躍動感も兼ね備えています。他の流派と比較してもここまで大胆な意匠はなく、非常に特長的と言えるでしょう。このような思い切りの良さはわずかに残る茶杓にも見られ、大きな櫂先、節から下を大胆に削った意匠は、小さな茶杓の中に雄大な宇宙を感じさせるほどです。その他の道具、書もほとんどないのが残念ですが、もし手がけたとしたら、さぞ雄渾な作品を残したのではないかと思わせる宗匠です。

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