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薮内流[六代]_竹陰紹智_比老斎

竹陰紹智_比老斎

 薮内家歴代宗匠の中でも、茶の湯のみならず道具作り、絵画、書など多方面で傑出した才能を発揮したのが比老斎です。先代の竹心門弟四天王のひとり、北尾春倫の甥で、その才を見込まれ竹心の養子となりました。








才能と茶風で多くの人を魅了

 書は時の文人・池大雅に学ぶともに大師流に通じ、絵画円山応挙との親交もあり、見る目も高く、謡曲・和歌にも長じ、作陶にも秀でるという多才ぶり。且つ先代が漢籍に通じたのに対して国文学に深く精通し、その心、教えを茶道を、分かりやすく伝えるために役立てたとも伝えられます。
 茶風は薮内家の流儀である古儀を正道とし、華美に流れる当時の風潮に強く反対、正道の遵守を呼びかけました。古流を好む武家茶道に近いことから、歴代宗匠同様、地方藩との交わりも多く、比老斎は戸田大垣藩(岐阜)、柳沢郡山藩などにも出仕しています。また、この才能と茶風は多くの人を魅了し、当時の西本願寺門主・文如上人が深く比老斎に傾倒し、比老斎の寿像に自ら賛を添えるという異例の染筆を下賜しています。爾来、歴代宗匠の寿像に門主自ら賛を賜るのが通例となったことからも、その影響の大きさが伺えます。

「比類なき才」と評されるほどの腕

 茶道具作りについては、後に「比類なき才」と評されるほどの腕を見せています。茶碗では「恵比寿」「大黒」と名づけられた対のものがもっとも知られた作品のひとつですが、その手腕を遺憾なく発揮したものとして銘「吸江」「門柱」があります。どちらも志野焼に見られる筒形で、立ち上がる胴はきりりと引き締まって高さを出していますが、径が大きいためにそれを感じさせない豊かな印象を与えます。側面には箆目を使い、釉とともに雄大な景色を描き出します。薄作であるにも関わらず、決して不快でない重さがあるのも比老斎の手造の特徴かもしれません。
 このほか、香合、水指などでも優れた作陶をしています。また、釜の写しを作ることにも注力しており、利休伝来の七五三形風炉釜の写しを燕庵で初めて作り、以後歴代宗匠もこの釜の写しを作るようになっています。 こうしたことからも分かるように、比老斎は茶風だけでなく、薮内流宗匠の道具作りの道筋を作り、大きく貢献した宗匠でもあったのです。

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