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裏千家[十四代]_碩叟宗室_淡々斎

碩叟宗室_淡々斎

 号の淡々斎は九鬼隆一男爵からの命名で、別称無限斎は得度の際に時の大徳寺管長、円山伝衣老師に授けられたものです。後に付いた号が無限斎であることから正式には無限斎と呼ばれることが多いのですが、道具に関しては淡々斎の名で残されているものも多いので注意が必要です。
 明治・大正・昭和の3つの時代を生きた淡々斎は、戦中戦後の混乱と不安な時期の中、裏千家をしっかりと守り抜きました。茶道史上の功績には、同門会である淡交会の結成と普及活動、今日庵の財団法人化、茶道会館の建設などが挙げられます。また、戦前戦後とも、海外への普及活動にも勤しみ、ハワイ、ブラジルに茶室を作り上げています。 全国の社寺仏閣への献茶および茶室の寄贈にも熱心に取り組んでおり、各地に淡々斎の手になる茶室が現存しています。

自由な伸びやかさと、端正な美しさ

 元来大変器用な人物で、書画に長け、能や唄にも通じ、和歌をするなど多彩な才能を発揮しています。手捏ねの茶碗も多く黒楽平茶碗、赤楽などに優れた作品が多く残されています。箱書き、好み物も非常に多く残しており、もっとも有名な品に楽焼青磁の花入があります。これは今日庵に伝来した本歌(本箇)があり、その写しとして淡々斎が作らせたものです。昭和の北野天満宮献茶の儀のために作られたもので、非常に端正な美しさが特徴的です。また、淡々斎の教養の深さの一端をうかがわせるのが梅月棗です。梅の詩人と称された中国宋代の詩人、林和靖の漢詩に着想を得たといわれるこの棗は、十職の合作の傑作として今に伝わっています。
 淡々斎の好み物は、裏千家歴代宗匠に通じる侘び数寄と、目と心を楽しませる豊かな感性に溢れる一方で、今までにはなかった自由な伸びやかさと、端正な美しさを持つ作品が多く残されています。この好みは茶室にもよく反映されており、手がけた茶室はすっきりとした美しさと静謐さに溢れています。また、広間や立礼式を踏まえた茶室作りも淡々斎に始まるとされています。

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