野田弘志

野田弘志

洋画・野田弘志は1936年に生まれた日本の洋画家です。彼の作品は枠に捉えられることが無く、10年という短いサイクルでその様式を変えています。自由な精神を持ち続けている野田弘志ですが、その核となる芸術思想は一貫してブレることはなく、綿密な写実性を追求したリアリズムを徹底しているのです。ライトグレーやホワイトを基調とした構図で色彩を配置する安定した作風で、安定した作品作りを続けています。超写実主義を追求する野田弘志の作品は、写真ではないかと見まごう程の綿密さで有名です。1971年に発表されている「やませみ」はドライフラワーとカワセミが黒を基調とした背景にくっきり浮かび上がる、写実性が高い作品です。まさに、絵の中のすべての生命が今そこで活動しているのかのようなリアリズムが表現されており、野田弘志の技術の高さが伺い知れます。晩年の野田弘志は、自己の欲念を捨て去り、対象をしっかり見つめて描く、完全ともいえるデッサン力を重視した作品作りになっているのです。死と生をテーマに動物の骨など、死を連想させるものを多く対象に作品作りをしている彼は「人間そのものの存在を描く」という大テーマの元、制作を続けているのです。この作品で分かるように、1970年以降、黒一色を背景にしたシリーズを描き続けます。しかし、その10年後は金のシリーズという金箔を背景とした華やかな作風、そして90年代に以降すると「TOKIJIKU」というシリーズになり、白や灰を基調にした作品になっています。そんな、野田弘志ですが20代はイラストレーターとして活躍していました。そして、その反動からか30歳代に画家に転身し、一貫とした写実性を追求した作品作りを行うようになったのです。日本の美術界に数々の貢献をしてきている彼ですが、野田弘志でのベルギーでの個展開催も成功に終わり、日本だけでなく世界的にも高名な洋画壇になっています。野田弘志求めるリアリズムを追求し続ける意志の旅は、まだまだ終わることはないのです。

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