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野見山暁治

野見山暁治 かけがえのない空

野見山暁治は1920年に生まれた日本の洋画家です。福岡県に生まれ、画家を目指した野見山暁治は東京美術学校に入学し、1943年に同学洋画科を卒業しています。同時に応召していますが、満州で発病し入院生活を余儀なくされています。その後、様々な境遇を卑下し、一旦は恐ろしい虚脱感に襲われながらも再起を願い1952年にフランスに渡っています。ここで画家として力をつけた野見山暁治は第2回安井賞、サロン・ドートンヌ会員になり、輝きを取り戻します。その作風は、時代の波に流されず自らの信じる芸術を表現した、みずみずしい色彩に溢れた奔放な力強いストロークで描かれます。さらに、絵画だけでなく、文筆にも才能を発揮した野見山暁治は絵画・文筆で自己の芸術を表現し、多くのファンを魅了し続けているのです。その作品のひとつである2011年に制作された「かけがえのない空」です。キャンパスに感情を殴るように落とし込まれたこの風景。白を基調とした抽象画ですが、その中に見える赤がとても心を動かされるメッセージ性の高い作品です。荒々しい印象ではありながらも、繊細にそして緻密に配された色彩たちは私たちが気付かなくてはならない何かを訴えかけているようです。そして、具象的な作品が描かれた1951年発表の「炭坑(A)」では九州の炭坑で働く人間を多数描いた作品です。荒々しい炭坑の岩肌を前に、作業に出かけようとする作業員の様子が何とも寂しげに描かれています。奥行く空は青々とした闇に覆われ暗く、期待や不安、その時代の情勢などが非常に良く伝わってくる作品です。対象の内部の感情を切り出し、生命を宿す様に作品を作るのが野見山暁治です。現役で素晴らしい作品を描き続けている野見山暁治ですが、東京芸術大学で教鞭をふるい美術界にも大きく貢献しています。芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞も受賞しており、日本の洋画壇のトップに君臨し続けているのです。90歳を過ぎた今でも未だ衰えることはなく、むしろ年々力強い作品を生み出している野見山暁治。彼こそ、生きる芸術という名にふさわしい人物なのです。

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