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長谷川潔

長谷川潔「窓からの眺め(シャトー・ド・ヴェヌヴェルの窓)」

長谷川潔は1891年に生まれた日本の洋画家です。メゾチントと呼ばれる、古い画法を復活させ数多くの名作を生み出しています。この技法は1918年に渡ったフランスで身につけています。元々体が弱かった長谷川潔は、勤め人の道は捨て元々好きであった絵画の道へ進みます。中学校を卒業した後、その技術を磨くためにデッサンを黒田清輝、岡田三郎助と藤島武人に油彩画を学び、技術・精神ともに鍛錬します。その後、弟と大森の洋館に住むようになり、文芸雑誌「聖盃」の表紙を交代で担当となります。この雑誌を通じ様々な人間関係を築きます。そして文学書の装丁も手がけ、自画自刻の制作版目木版画や木口木版画の制作を手がけ出しているのです。そして、周りの画家や周囲の芸術家たちの行動を見聞きし、フランスに行くしかない、という理由から渡仏しています。この渡仏を機に、故郷である日本には帰らず生涯をパリで過ごすようになります。芸術家として大成するため、膨大な数の油彩画や版画を勉強・制作し、大型の銅版画やもうフランスでは廃退してしまったメゾチントを復活させ、パリ画壇から大きな称讃をもって迎えられたのだそうです。そんな長谷川潔の作品で有名なのは1941年「窓からの眺め(シャトー・ド・ヴェヌヴェルの窓)」です。モノトーンで統一されたアールデコ調の作品で、シンプルでありながらフランスの空気感や情緒に溢れた温かみのある素晴らしい作品です。繊細である写実的な表現方法で、細部にまでこだわりを見せる長谷川潔独特の実直さを感じます。また、1961年に発表された「薔薇と時」ではメゾチントを用いた黒い表現がなされています。漆黒の背景が幻想的な空間を作り出し、その中心に写実的に描かれる薔薇の姿がまさに時が全て止まっているかのような錯覚を引き起こさせる秀逸な作品です。まさに凛とした切れ味の鋭い版画として高い評価を得ています。戦後、徐々に制作を水彩画から版画制作に集中するようになり、高度な技術を用いた素晴らしい作品を残します。数多くの名誉ある賞を受け、生涯を芸術の街であるパリで過ごした長谷川潔。彼の心にある芸術は永遠に色褪せることはないでしょう。

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