高光一也(たかみつかずや)

高光一也は1907年に石川県金沢で生まれました。洋画家であり、浄土真宗大谷派専称寺住職でもあります。近代の宗教家、高光大船の長男で、仏教に対する著作もあります。県立工業学校図案絵画科卒業で、中村研一に師事。二科展、帝展に出品。金沢美術工芸大教授を務めて、昭和38年に日展で「収穫」文部大臣賞、46年に「緑の服」で芸術院賞をとる。 田舎暮らしで画壇の事情にうといので、中村先生から「そろそろ院賞をいただきましょう」と促されて、わけのわからないままに夢中で制作した「緑の服」で、日本芸術院賞をもらったのです。もらったときは既に中村研一は、既にこの世の人ではなかったので、高光一也は申し訳ない気持ちだったそうですが、時既に遅しだったそうです。 「緑の服」という題名ですが、緑というより、幾何学模様的なグリーンやオレンジ、ブルーの色が入ったワンピースを着ている女性の絵です。バックが本当に目立たない、グレーと少しオレンジがかった色なので、この服は際立つのですが、なぜ緑の服なのかは不思議ですね。 また、文部大臣賞をとった「収穫」は、異国情緒のある、もしかしたら、どこかの国のぶどうの収穫をしている人の(2人)絵ではないかと思えます。ワイン用のぶどうの収穫でしょうか。生き生きとした生命力のある人のどっしりとした重量感のある絵で、色は落ち着いたちょっと渋めの絵です。でも、あまり評価が高くなかったようです。その時代時代で、人気が出るスタイルというのは違うのでしょう。

今も変わらない生き生きとした魅力

高光和也の作品は人物画が多く、身近にいる人をモデルにして、ギリシャやローマの遺跡にたたずませた画、木をバックにした画など普遍的な女性美をあらわしている芸術作品が今も変わらない生き生きとした魅力で、観るものを感動させます。人物画で、高光氏が70歳のとき、「紫色のコスチューム」という題で、往年の歌手の淡谷のり子を描いています。後ろはギリシャの遺跡のようで、紫のドレスがバックの遺跡のベージュとコントラストをなしています。

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