薮内家[七代]_竹翁紹智_桂陰斎

薮内家[七代]_竹翁紹智_桂陰斎

 七代竹翁は、歴史の表舞台に現れた比老斎竹猗という前後の宗匠に挟まれ、地味なように扱われることの多い宗匠です。しかし、視線を内に向け取りまとめをしたとして、高く評価されています。在世中には大きな遠忌がいくつもあるがいずれも務めあげ、さらに越後本間家など新たな付き合いも広げています。
 生まれは大和国の来田家で、文如上人の側近として上洛し、その後、薮内家に入ったとされています。先代比老斎は若い頃子がなく、竹翁のほかに通玄斎という養子を取っていましたが、通玄斎は夭逝し、ようやく生まれた実子珍牛斎が幼いうちに逝去、さらに、比老斎も続いたため、竹翁が七代を継ぎました。
 在世中の遠忌に織部二百回忌、剣仲二百回忌、利休二百五十回忌があり、大徳寺で追福茶会を開催しています。また、妙喜庵の修理のほか、燕庵の土蔵や家屋の修理をするなど、文字通り家内の充実や、文書の整理などを図りました。後に義理の兄弟に当たる珍牛斎が長じ江戸に下ってからは、江戸と連携して正道の茶の湯を広めるために尽力したとあります。その性、落ち着いており非常に真面目であったと寿像の賛に門主本如上人が記しています。

道具作りの手に優れていた竹翁

 内に向かった時代のため、竹翁は道具作りの手に優れ、比老斎に次いで多くの作品を残しています。手造り茶碗では、銘「結びの友」が有名です。淡い青を帯びた薮内釉が全体に濃く流れた井戸形で、すっと伸びるそのさまは緊張感と清涼感を感じさせます。自身優れた手の持ち主であり、歴代随一の目利きと言われた次代の竹猗が後に箱の横に「格別に秘蔵せられければ皆も窓外に出すことなかれ」と記し、家中に留めるよう厳しく戒めその優れた作を称賛しています。
 このように結びの友は格別な席でのみ用いられる茶碗となっていますが、もうひとつ竹翁の手になるもので特別なものが大平茶碗一双(一対)です。流祖剣仲に対する強い畏敬の念から生まれたこの2つの茶碗は、今でも流祖忌のみ使われています。

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