まるで卵の殻のよう? 薄胎磁
いつも八光堂ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
芸術の秋、みなさまはどのような芸術を鑑賞されていますでしょうか。音楽や文学も素敵ですが、ぜひとも当店ブログで古美術品をお楽しみいただければと思います。
本日ご紹介さてていただくのは、中国の超絶技巧が生み出した工芸品、薄胎磁をご紹介いたします。
薄胎磁とは
薄胎磁は中国江西省景徳鎮市の伝統的陶磁器の中でも特に有名な工芸品の一種です。その見た目から「蛋殻磁」とも呼ばれています。きわめて薄い卵の殻のような陶磁器で軽く精巧なつくりが特徴です。
薄胎磁の種類は豊富で、様々な食器、文具、茶器、酒器が作られています。制作工程は土の配合や成型、施釉、絵付、焼成など全て手作業で40以上の工程を経て作られます。
薄くてもろいため、制作家庭で壊れたり変形したりしやく、熟練職人による超絶技巧と厳格な制作工程を経て作られています。白く透明に仕上げるために、土の酸化アルミニウム、釉薬の酸化マグネシュウムの含有量を調整します。成型は繰返し行い、陶磁器の厚さが1ミリ以下になるまで精巧に薄く仕上げます。
施釉前に750-800℃の温度で素焼し、内側は釉薬を流しかけ、外側は釉薬を噴き付け、釉薬の厚みが0.1ミリになるように施釉します。施釉後、1280-1320℃の温度で焼成します。焼成した陶磁器に職人が丁寧に絵付けをしていきます。風景、人物、花鳥風月…様々なテーマが繊細な筆致で表現され、幻想的な世界に見る者をいざないます。
さいごに